平成29年度助成事業 実施報告
2017年4月1日~2018年3月31日に実施した助成事業の報告と精算が5月中に終了いたしました。
全18件の事業に対し、総額2,459,174円の助成を実施しました。
皆様のご支援のお陰で、岐阜県各地で、困難を抱える子どもや若者のために多くの活動ができました。
ありがとうございました。
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【A-1】事業助成
助成件数9件 助成総額1,525,763円
助成事業名:発達障がいを抱えた子どもや若者の農業クラブ
助成額:200,000円(総事業費383,679円)
事業の成果
発達障害を抱える若者が土に触れ、汗をかき、会話をすることで家族や親に話せない事を話し、笑顔が増え表情が豊になりました。
自分の行動を畑でスタッフに話し、生き生きとする姿がみられ、1年で予想できない程、自立し成長しました。
無肥料・無農薬による野菜の育て方を指導して頂き、土・太陽・雨・空気の自然の流れで野菜が育ち本当の野菜の味・安心して食べる事ができるありがたさを、参加者全員で感じることができました。
facebook Kinder Land(キンダーランド)
助成事業名:こどもの明日を拓く学習支援事業
助成額:200,000円(総事業費 761,949円)
事業の成果
- 登録者数40人(内訳:幼児3人・小学生22人•中学生11人•高校生以上4人)
- 土曜日の利用は平均15人、月曜日の中学生の学習は平均8人
- 子ども食堂「みんなでランチ」の利用者数は、16回の実施で平均35~40人の利用があった。
- 中学3年生6人が、高校受験のための学習に励み、全員公立高校に合格することができた。
- 不登校の生徒3人が、毎週、来ることができるようになった。
facebook あしたの支援室
助成事業名:ふれ愛の家の仲間が働くレストランme,tooの運営事業において、障がい者や社会的弱者に配慮した働きやすい利用しやすい環境の構築事業
助成額:95,763円(総事業費95,763円)
事業の成果
- 喫茶支援レジアプリシステムの導入により、字を書くのが苦手な人、絵を見ると判断ができる人、お金の価値がわからない人、お金の計算が苦手な人、言葉での返答が苦手な人、手の指がうまく動かない人などがレジ接客の仕事ができるようになり、自分も仕事ができるということに自信と希望を持てるようになった。
- 車椅子ごと入るテーブルで、車椅子使用のレジ担当者が、楽な姿勢で仕事ができるようになった。
- ベビー椅子の設置で、お客様に赤ちゃんとテーブルを囲んで食事を楽しんでいただけるようになった。
- 段差スロープの設置により、高齢者のお客様に配慮できた。
facebook NPO法人me, too
助成事業名:夏休み学習支援イベントの実施事業
助成額:100,000円(総事業費126,907円)
事業の成果
- 夏休み期間中の3日間を通じて、就学援助受給世帯護の保護者に代わって「夏休みの宿題」等、解決のためのフォローをすることができた。
- 子どもが集中して勉強できる場所の提供をすることができた。
- 子どもの相談相手として寄り添うことができた。
- 朝食を食べてこない子どもも見受けられ、食事の提供に満足した子どもの姿に、食育の大切さが認識できた。
- 関市民から、多くのボランティアスタッフ(教員、教員OB、塾経営者、市職員、市民ボランティア等)の参加があり、当事業への関心と協力体制ができた。
- 今回の参加者25人の保護者及び子どもから感謝の言葉と今後の継続的な取組への要望を受けた。
facebook NPO法人子援隊
助成事業名:人との関わりから学び育ちあえる地域づくり事業~障がい児親子に性を学ぶ場を!
助成額:200,000円(総事業費235,091円)
事業の成果
性の問題は成長してから教えればいいものではなく、幼児期から「生きること」「からだのこと」と一緒に、日常生活の中で伝えていかなくてはいけないと、「①連続講座」で学び、「②親の交流会」で深め、「③親子活動の場」でお互いに成長を認め合うことを目的に取り組みました。
①命の大切さを学ぶ3回連続講座(性教育)
【参加者の感想より】
- 赤ちゃんが出てくるDVDが、とてもこどもに伝えやすく、感動しました.
家では、なかなか教えられないことで、でも、とても大切な事。今回3回とも家族5人で参加できてよかった。今後は、これらのことをいかし、家での話題づくりにしたいです。 - 性教育は大切とわかっていても、自分もきちんとした教育を受けたことがない為、どうすればいいのか悩んでいましだ。障がいゆえに何回も繰り返し、伝えないといけないと思うので、次回もあれば参加したいです。
②親の交流会で深める。
平日2回、おしゃべり会(交流会)を開催し、連続講座の感想やお子さんの学校でのトラプルなど悩みを話しました。先輩ママの体験談や自分自身も話すことで、客観的に悩みを分析することができ、力になっていることを実感しました。
③親子活動の場で、お互いに成長を認め合う
こどもたちは、失敗しながら繰り返しやることで自信をつけていきました。障がいがあっても、人との関わりや体験から相手の気持ちを考え、声をかけることが少しづつですができている姿を多くみました。
それぞれのこどもの成長を感じ、一緒に参加したこどもたちや親御さんどうし、またスタッフもお互いに、こどもたちの成長を認めあうことができました。
facebook NPO法人キッズスクエア瑞穂
助成事業名:ICT機器を活用したコミュニケーション支援勉強会
助成額:250,000円(総事業費 294,071円)
事業の成果
支援者向け勉強会においては、行政、医療、教育、保育、福祉職と多職種の方々に参加いただき、それぞれの方に実際に自らICT機器をつかったり、障害がある方の認知(見え方)、コミュニケーション(透明文字盤など)を実際に演習などを通して体験してもらいました。具体的には目線入力装置やネコみみ(脳波測定機器)などで障害を持つ方々の可能性が広がることを実感していただけました。さらに行政の方とは、現在障害者総合支援法の日常生活用具等の給付事業において、IPADを今後コミュニケーション機器として、給付の対象に入れていけないだろうかというような話もできました。
親子学習会では普段直接子どもたちの介助などをしないお父さんや兄弟が、ハンダごてなどをつかったスイッチの改造などを通して子どもたちの可能性を広げていけることを実感いただけました。さらに講師の先生が直接子どもたちと目線入力やスイッチをつかって遊び、楽しむ姿をみせていただき、スタッフもさらにICT機器を活用する必要を感じることができました。
勉強会と学習会が終わってからも参加された方から、アプリの使い方の問い合わせがあり、ICT機器などを貸出しました。皆さんが実際に使っていこうと取り組んでみえることから、今後のICT 機器の広がりの可能性を感じることができました。
ホームページ https://lifecrowd.jimdo.com/
助成事業名:「名もなきちいさな作家展」風の芸術村の個展事業
助成額:130,000円(総事業費 280,492円)
事業の成果
この個展に出展したどの方もそれぞれにエピソードがたくさんできました。
- 「自分の名前が入り口に書大かきれくてあったこと、自分だけの作品が展示され、それを多くの方々が観てくださったこと、作品をほめてもらったことがとても嬉しかった」。
- ふだん自分からは誘わないのに、お父さんを一生懸命誘って一緒に見にき、その後、美術教室にその方のお父さんが初めて顔を出されました。
- 案内ハガキー枚一枚に「見に来てください」と書いて出した。
個展の開催後にはどの方も、美術教室での創作活動に一層意欲的に取り組むようになり、個展が大きな力になったと実感しています。
また、毎回100名前後の来場者があり、「すてきな作品ばかりで、感性が素晴らしいですね」「来場する度にがらりと雰囲気が違い、それぞれの作者の個性を感じます」「ここにある作品をどんな思いで描いたのだろうと作者のことを思いながら観ました」などと感想が聞かれました。
作者と関わりのない一般来場者の方々にも大勢観ていただき、障がいがあってもなくても創作する事は楽しいということが伝わったと思います。
来年度も個展事業を引き続き行なう予定です。先に個展に出した人がいることで、イメージが具体的なものとなり、創作活動のモチベーションを上げることになりました。
facebook 風の芸術村
助成事業名:つながりつなげるフリースペース
助成額:140,000円(総事業費 224,611円)
事業の成果
地域の中で、精神面に困難さや生きづらさを持っている方が、実際に顔を合わせ、当事者どうしの繋がりを持てる場を作れたこと自体が、成果だと感じます。座談会・研修計24回を通して、沢山の方に関わり、それぞれの方の抱えている問題や思い、長い間戦ってきた苦悩の日々など、生の声を聞かせてもらえたことで多くの気づきを得ることができました。
参加者の声からも、「繋がる場」「安心して話せる場」は、本当に必要なのだと実感しています。
回数を重ねる中で、当事者同士、お互いがお互いの存在によって、勇気づけられたり、自分らしさを発揮されたりしています。その"関わり”こそが、一番の成果だと思います。
また、この事業により、精神障害の分野に限らず、色々なマイノリティを持つ方の声も、地域から聞こえてくるようになりました。この「つながりつながるフリースペース」の活動内容や成果を発信していくことで、今後、様々な当事者会発足の応援になると思います。
<参加者の声>
•同じ悩みを持つ方と、会えたこと、話せたことは初めてだった。
•病気のことなど、自分だけが抱えているのではないと知れて良かった。
•自分の弱みを人に出していいということを知った。
•次に向かうための確認の場になった。
助成事業名:コミュニケーションを育むための演劇鑑賞と演劇ワークショップ
助成額:210,000円(総事業費302,198円)
事業の成果
今回の事業では、自分の思いを言葉や表情、行動で表現し、それが他の人に正確に伝わることがとても気持ちが良いものだということをいろいろな方法で体験できました。このような心地よい他人との関わりの積み重ねで、今まで他人とコミュニケーションをとることを苦手としていた仲間たちも自分の気持ちを話してみよう、伝えてみようと思えるようになってきます。それは、障がいをもつ仲間たちの生きづらさの解消の手助けとなり、社会の中で少しずつ自立していく上での土台になっていくものと思っています。
今回の事業は3回のワークショップと劇団風の子の演劇鑑賞でしたが、事業全体の計画・準備•運営を障がいを持つ仲間たちが中心となってやっていくことにも取り組みました.
仲間たちによる準備会議で事業内容の計画・チラシなどの作成・打ち合わせ・参加者募•学生ボランティアヘの説明・開催日当日の役割分担等など、何度も集まり、話し合いを重ねて決定し、実行しました。
大きな事業を成し遂げたことで自信がつき、まわりから"がんばったね"と認められる心地よさも感じられ、とても良い機会でした。
反省会では全員がそろって『またやりたい』と発言していました。参加者アンケートにも次回を期待する声が上がっていました。今後も、この貴重な体験を少しずつでも続けていけるように考えていきたいと思っています。
ブログ 劇団ドキドキわくわく
【A-2】ステップアップ助成
全4件 助成総額643,000円
助成事業名:Mama’s基金立ち上げ事業
助成額:200,000円(総事業費 302,116円)
事業の成果
助成金を活用することにより、「Mama’ s 基金」を立ち上げることが出来ました。
基金にはスタートから順調に、個人や法人の寄付が集まっています 。立ち上げ講演会直後に会場で20万円を超える寄付がありました。
それらは、助成金を活用して作成したパンフレットやチラシを事前に配布していた効果だと考えられます。
また講演会はほとんど満席だったこと、新聞などのメディアに多く掲載されたことで、「子ども達の現状を一人でも多く知ってもらう」という目的も達成できました。
同時にスタートさせたクラウドファンディングも、単にネットで寄付を菜めるというだけでなく不特定多数の人に「子どもの現状」を知ってもらうということに役立ったと思います。
基金に順調に資金が集まったことで、具体的な困難を抱えた子どもと家庭への支援をスタートさせることができました。この実績の積み重ねは、3年後の「ファミサポ利用料負担の制度化」への大きな説得材料になります。
ホームページ http://mamascafe-plus.com/
Mama’s基金ホームページ https://peraichi.com/landing_pages/view/mamaskikin
助成事業名:こども食堂支援事業
助成額:200,000円(総事業費 336,784円)
事業の成果
ホームページの開設により、県内外よりの問い合わせがあり「こども食堂ぎふネットワーク」への関心度は高くなりました。こども食堂の趣旨に賛同した地域の人々や企業などからの食材の寄付をしたいという方も多く集まりだしました。
また、各こども食堂においても食材の情報により、バランスが取れた食事の提供に役立っています。
今後は、こども食堂を運営していく上での「安心・安全」な情報を提供していきたいと思っております。
ホームページ http://kodomosyokudou.net/
助成事業名:ひきこもる人を持つ「家族の会」立ち上げ支援と県内ネットワーク構築事業
助成額:200,000円(総事業費 201,505円)
事業の成果
当法人が行ってきたひきこもる家族を持つ『家族会』は、すでに10年になりますが、日々の相談は全県下から入り、その方達には、身近で相談できる場所が無いことに心を痛めてきました。そのため、少なくとも県下5圏域で家族会を立ち上げ、―人で悩を抱える人を出来る限り身近な所で支えられることを目指しましが、この事業によって東濃圏域、中濃圏域で家族会を立ち上げることが出来ました。
これにより、2011年から定期開催されている高山市、2016年からは当法人も協力して立ち上げられた大垣市、そして岐阜市と全圏域で家族会ができたことになります。ひきこもりの長期化、高齢化が指摘される中にあって、当事者の家族の人たちにとって、身近な地域に会ができ、様々な苦悩を語れる場所がつくれたことは、困難な課題に向き合っていく上で、大きな力になります。
また全圏域での家族会設立は、ネットワーク効果も期待でき、多くの家族により情報を伝えやすくなります。昨年開設された「岐阜県ひきこもり地域支援センター」との連携もとれれば、より多様な支援の可能性を切り開くことにもつながるはずです。
ホームページ https://popolo.qloba.com/
助成事業名:山県市で行なう学習支援事業推進のためのモニタリング事業
助成額:43,000円(総事業費 43,212円)
事業の成果
この事業では、学習支援現場の聞き取り、セミナー参加、実践交流会、行政関係機関等に足を運び、そこで現場のニーズ把握をし、学習支援セミナーとアンケート調査を一体化する企画をした。
アンケート調査(50人中46人回収)の集計結果から、学習支援の必要性に関して、「必要性あり/どちらかというと必要である」が41人であった。また、市内在住者33人中の回答では、身の回りに経済状況や生活環境が気になる家庭が「ある」26人、学習支援に誘いたい子どもが「いる」14人と、山県市内の子どもの学習支援への高いニーズがあるという結果が得られた。また、「実態把握をしなければいけない」、「山県市にも学習支援の場を作ってほしい」「子どもも大人も通える居場所が必要」「社会全体で支え合う必要がある」、「行政が支える仕組みが必要」などと、今後の課題となる意見が多く寄せられた。
この調査結果は、共同主催者と共有し市内外関係機関へ報告する予定である。H30年度、山県市 には子育て支援課が新設された。市教育委員会生涯学習課では、各小学校で週1 回小3 の放課後学習事業を実施する。山県市社会福祉協議会は子どもの学習支援事業実施に向けて準備をしている。この調査結果が、それぞれの学習支援事業推進にいくらかの参考になれば幸いである。
facebook 虹のかけはし
【B】利用料軽減助成
全3件 助成総額192,800円
助成事業名:「てらこや無償塾」への交通費支援事業
助成額:100,000円
事業の成果
生活困窮家庭の多くが、「てらこや無償塾に通わせたいが、交通費を出すのは負担」と考えていた。特に、バス代は、中高校生は大人料金で、往復で420円もかかるため、毎週参加となると2000円近い費用となり、参加を躊躇するひとり親家庭が多かった。
特に兄弟で参加となると2倍の出費となり、ためらう保護者が多かった。今年度交通費を支給することにより、子どもも保護者もお金の心配がなくなり、安心して通えるようになった。
その結果、塾への参加日数が増え、毎週きちんと通えるようになった子ども達が多かった。毎週通えるようになると、精神的にも学力的にも安定して、学習意欲や学力の向上が見られた。
特筆すべき例として、ひとり親で就学援助家庭の子どもが、高校生になったので小遣いがもらえなくなり、アルバイトで自分の小遣いや家に入れるお金までも賄うようになった子がいる。お金のない家庭にとっては、無料塾であっても、塾に通う交通費がハードルとなる。今回、利用料軽減事業に応募して、「子どもや家庭がお金の心配なく塾に通える」環境整備の重要性を強く感じた。
facebook 岐阜キッズな(絆)支援室
助成事業名:明宝小学校放課後児童クラブ運営事業(利用料補助)
助成額:60,300円
事業の成果
利用料軽減により、2人の子どもがほぼ毎日学童保育を利用できたことで、ひとり親家庭の経済的助けとなり、安心した生活を送ることができました。
ホームページ http://furusato.meiho.info/
助成事業名:長良川っ子集まれ!石徹白の山里で源流の自然を体験しよう(参加費助成)
助成額:32,500円
事業の成果
利用料軽減の支援により、経済的に恵まれない子ども達も、参加費を気にせず体験学習に参加する事が出来た。水生調査では、多くの魚や生きものを見つけたり、班の中で、率先して活動する子もおり、どの子どもも他の参加者と仲良く3日間の活動を行っていた。
このように、家庭の環境と子ども達の体験や学ぶ意欲は関係なく、意欲のある子ども達へ機会を提供することの重要性を学ばせていただいた。
利用料軽減対象者の情報流出を防ぎ、他の参加者と区別なく参加できるように配慮した。
facebook 長良川流域子ども協議会
【C】東海ろうきん「物品購入助成」
全2件 助成総額97,611円
助成事業名:周知広報及び研修を有効的に推進する事業
助成額:50,000円(プロジェクター購入費 68,040円)
事業の成果
購入したプロジェクターは、ネットワークの参画団体や連携団体に無料で貸し出しをしている。各団体の色々な行事に活用できている。
年度末に高校入試のための面接練習など、具体的な学習支援の場所での借用実績が上がった。これからも子ども達を対象とした「支援」「行事」の折に貸し出せるように周知したい。
ホームページ http://gifugakushusien.com/
facebool 一般社団法人ぎふ学習支援ネットワーク
助成事業名:出前絵本展
助成額:47,611円(大型絵本5冊購入費)
事業の成果
助成金で購入した大型絵本を夏の「ぐるっと町ごと絵本館」や「絵本展」などイベント時に読み語りをしたところ、内容が良いのと大きな絵本で見やすいことから、多くの親子、特に「お母さん」の心に響いて、涙してくださり、感動を与えることができた。これからもいろんなイベント等に出前絵本展で参加し、大型絵本で楽しんでもらうできることができる。
ホームページ http://ehonten.com/