2020年度助成事業 実施報告
2020年度も皆様の寄付金を、岐阜県各地で活用させいただきました。
全17件、総額2,732,763円の助成ができました。
新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言などで、予定額の87%の実施率となりましたが、各団体とも感染防止に心がけながら、助成事業を実施することができました。
各助成事業の成果を、助成団体から提出された実施報告書から抜粋しました。
※”事業の成果”をクリックすると詳しい報告内容と団体Webサイト等のリンクが表示されます。
印刷用はこちらからPDFファイルでダウンロードできます→ぎふハチドリ基金2020年度報告.pdf
【A-1】事業助成
全7件 助成総額1,617,519円
【助成事業名】生きづらさを抱えた子どもたちの体験活動「ぴのきお」
【助成事業名】215,930円(総事業費439,277円)
【事業の内容】
発達障がい及び障がい特性など、生きづらさを抱えた子どもを対象に、月1回の自然体験活動を行い、「できたこと」を増やし、自己肯定感を高めた。
※コロナ禍での緊急事態宣言のため、4月・5月・1月・2月は活動を中止した。
計8回開催。開催場所:根尾川、さくらキンダーガーデン、岐阜県森林文化アカデミー&モリノス、金華山および山麓周辺、畑など。
事業の成果
- 今年度、生きづらさを抱えた子どもたちは、コロナ禍で行動が制限されることで、一層のストレスを抱えるようになった。活動を選択できるようにしたことで、子どもたちは、前向きに、いきいきと活動に取り組み、自由な空間で、ゆっくり流れる時間を楽しんだ。
- 指導者が、保護者との面談や書面の聞き取りから、個々の子どもの特性や生活実態を踏まえ、適切な関わりをすることに心がけた。そのことにより、子どもたちは、自然で広い活動空間を味わって、主体的・創造的に活動することができた。
- 新しい環境や活動に対する抵抗感から躊躇する気持ちが強い子どもたち、敏感で繊細な子どもたちも、新しいことに積極的にチャレンジする姿が見られるようになった。
- 生きづらさを抱えた子どもたちが感情や自己をコントロールし、仲間と協働して体験活動に取り組み、社会的スキルの基礎を磨くことができた。「できたこと」を増やすことによって、自己肯定感を高めることにもつながったと考えている。
【助成事業名】こども・若者の自立を目指す料理教室
【助成額】300,000円(総事業費 478,696円)
【事業の内容】
可児市において、支援を必要とする子ども・若者を対象に、毎週土曜日料理教室を開催し、自分で料理を作れるようにするとともに、悩み相談・コミュニケーションの場づくりをした。*参加者は1回あたり平均7人、のべ人数は368人、実人数では30人。
事業の成果
毎週土曜日に1年を通じて全52回、料理教室を実施した。継続的に料理教室を実施できたので、料理を覚えたい方が料理を作れるようになるまで支援できた。このことで、本当の意味でのこども・若者の自立を目指す料理教室となった。参加した子どもたちからは、「習った料理を家で作ってみて、家族からおいしいと言ってもらえた!」「だんだん料理が楽しくなってきた!」という言葉をもらった。
また、保護者からは、「こどもが家で自ら夕食の準備を手伝ってくれるようになった。」「自分が家にいないときに、こどもが自分で食事を用意できるので、負担が減った。」「どんどん新しいことを覚えて料理ができるようになっていくので、頼もしく感じた。」という言葉をいただいた。
料理教室に参加した方には、野菜などの食材と、料理教室で作った料理のオリジナルレシピを配布し、より家庭で料理を実践できるよう配慮した。
コロナ禍で休校や外出の制限などでこどもたちはさまざまな不自由を強いられてきた1年だったが、料理教室ではこどもたち同士の交流の場にもなり、参充実した時間を過ごしていたように思う。料理の調理教室ではこどもたち同士の交流の場にもなり、参充実した時間を過ごしていたように思う。料理の調理方法だけでなく、道具の使い方、野菜の特性、調理の仕方、衛生管理方法、安全管理方法など網羅的に取り扱ったので、料理を作るだけでなく、自立に向けていろいろなことに対応できるように取り組むことができた。
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【助成事業名】グレーゾーンの小学生支援(サタディ)と未就園児親子支援(リトルキキ)とサタディOBの集い(サンディ)事業
【助成額】300,000円(総事業費405,200円)
【事業の内容】
サタディ…11回開催、 リトルキキ…32回開催 サンディ…3回開催
グレーゾーンの子ども達を対象にした毎週木曜日の放課後と土曜日の居場所とOBの若者の集まりを開催した。
◆サタディ……グレーゾーンの小学生対象、登録人数10名、 延べ参加者66人
◆リトルキキ……子育てに困難を感じている親子対象、登録18組、延べ参加組数150組
◆サンディ……サタディOBの集い 延べ10名
事業の成果
◆サタディ:今年度は5つの小学校から10名の小学生による活動をおこなった。少人数であることを生かし、家庭や学校では、なかなかできないこと(火をおこす、包丁を使う、針を使った裁縫など)をスタッフの手助けを受けながら自分のペースで経験を積み重ねることで、やってみようかなという気持ちや、うまくできなくても繰り返すことでできるようになるという実感をつかんでいるようである。それは、同じスタッフ・同じメンバーの中で2年3年と過ごす中で培われていくと感じている。
◆リトルキキ:リトルキキは、毎週木曜日は必ず開いていていることや固定したスタッフ(ボランティア含)がいることで、継続して参加される方が多かった。親から離れなかった子が徐々にスタッフと遊ぶようになり、親は、子から離れて他の母親やスタッフと子育ての話や相談ができ、元気になって子育てに向かう姿がたくさん見られた。室内遊びだけでなく、戸外で砂遊びや水遊び、雪遊びと季節に応じて遊べることは他の遊びの広場にはない環境であり、おもちゃやゲーム機の中で過ごすことが多い現代の子どもたちに自然が与える影響力を親子とも感じてもらうことができた。
◆サンディ:今年度、初めて高校生、専門学校生などを対象として行った。以前サタディにきていた子たちに声をかけて、お昼ご飯を作って、食べて、しゃべってという形でスタートしたが、コロナ禍で、少人数で、なるべく戸外で行うなど工夫をした。久しぶりに会う成長した彼らの姿は、今苦労している親子にすごく励みになり、スタッフの今後の活動への意欲にもつながった。
【助成事業名】ようろうこども食堂
【助成額】109,722円(総事業費109,722円)
【事業の内容】
子ども食堂を2回開催(計画では3回だったが、コロナ禍で第1回が中止)。養老町広報やチラシ配布により参加者を募集した。参加人数:第2回(12/12 子ども21人、大人14人、その他1人、こども食堂担当者8人)、第3回(1/13 子ども25人、大人25人、その他2人、こども食堂担当者8人)
事業の成果
今年は、コロナ禍で、施設が使用禁止になり、第1回は実施出来なかったのが、大変残念だった。
今まで来て下さった方々が「こども食堂やってもらえないのですか?」等と声を掛けて下さったのが、逆に支えになった。第2回は、ようろう保育園が場所を貸して下さり実施出来た。園内のホールを解放して下さり、前半後半の2部式での食事は来て下さった皆さんが楽しくのんびりと食事して下さることが出来た。コロナの中、遊びに行けず、ストレスを抱えている方も有り、スタッフとも会話も楽しんで帰って頂いた。第3回はテイクアウトのみでと言う条件で教育長に了承を頂き、開催した。ソーシャルディスタンスを考え(新型コロナウイルス感染症対策シートを作成)、実施場所の館内では、間隔等が十分に配慮し、配布が実施出来た。
この場所では、「人同士の間隔は空いているが、気持ちの上では密接です!」などとの印象を話され、今後の活動の持って行き方の参考になったようだ。申込者が多く、キャンセル待ちが出たが、皆さんが興味を持って下さった事に感謝。新たな、つながりを得られたことは、今後の活動の大きな自信となった。
【助成事業名】面会交流支援事業
【助成額】300,000円(総事業費1,335,780円)
【事業の内容】
DV、虐待等により別居、離婚に至った親子の面会交流を支える事業。安心安全な場所の確保と専門スタッフによる見守りを実施した。対象者:6か月から18歳の児とその児の同居親・別居親 面会交流:69回 実人数:234人(他の助成金と併用)
事業の成果
安定した場所で支援事業を行うことにより、いつでも相談に行けるという居場所としての安心感、相談中に誰かに合うのではないか、見られてるのではないかという不安が減った。それによって、自分は一人ではないという気付きをし、被害者が自分力をつけていくことができ、親が元気になることで子どもも良い方向へ変化していき、様々な問題はありながらも安定した生活を取り戻すことができた方もいた。
離婚時の親権、養育費の合意とともに、面会交流を離婚調停で定めることが多く、面会交流の第三者機関を利用するのは、DV離婚などの高葛藤ケースの利用者が9割以上占めているのが現状である。子と同居している親としては、面会時の別居親による、子供の連れさり、虐待などを恐れることから面会交流が実施されず、養育費の支払いが滞り、ひとり親世帯の家計を圧迫するなど、子どもにとって良好な育成環境を脅かす事態となっている。
家庭内のDVなどの問題や離婚に至る経緯の事情で、同居親と子が、別居親と面会することに負担を感じているなか、安定した場所・相談に乗れるスタッフがいることで、利用者は安心感が持てる。面会交流に関する喜びや時には葛藤や辛さを相談してくる子どもも出てきている。
コロナの流行がなければ利用者数はもっと多かったと思うので、今後も継続していきたい。
【助成事業名】子育て支援居場所作り「こぎつねの森」
【助成額】107,917円(総事業費107,917円)
【事業の内容】
子育て中の親子の孤立化を防ぐため、毎月2回、親子の居場所を開催した。
6月29日絵本読み聞かせ ママの為のリラックス整体 参加者:大人12人子ども4人
7月27日ちょこっとカット ママの為のリラックス整体 参加者:大人13人子ども9人
7月28日木育広場「玉は松ぼっくり・木のパチンコ作り」 参加者:大人7人子ども3人
8月24日親子ヨガと川遊び 参加者:大人14人子4人
8月25日木育広場「藍のたたき染め」 参加者:大人19人子8人
9月28日絵本読み聞かせ ママの為のリラックス整体 参加者:大人10人子ども5人
9月29日木育広場「小枝や木の実を使ってのフォトフレーム作り」参加者:大人11人子5人
10月6日木育広場「薬剤師が作るハーブティのお話」 参加者:大人18人子7人
10月25日ちょこっとカット ママの為のリラックス整体 参加者:大人10人子ども7人
*4月、5月、11月~3月はコロナ禍によりお休み。
事業の成果
子育ての場として、「こんなのが欲しかった」と、お母さん達から声をいただいた。
コロナ禍の厳しい中でも、子どもを育てるお母さん達には、子どもを遊ばせる公園や子育てセンターや「こぎつねの森」のような「安心安全な遊び場」がいかに重要か、検証されたと感じている。
母親にとっても、子育てのつらさ、苦しさを分かち合い、励ましあい、ともに成長することは子育て支援の重大な役割の一つで、安心安全な居場所作りを、開催日を減らしてでも続けたいと思っている。
【助成事業名】大人も子どもも学びあい、まざりあう場づくり~不登校児童生徒の居場所づくり
【助成額】283,950円(総事業費 309,288円)
【事業の内容】
岐南町伏屋の空き家を活用した地域の居場所「ふせやの森」に、不登校の子どもたちが通えるようにし、地域の人たちとも交流した。
実施回数27回、参加のべ人数、子ども143人、大人191人。
事業の成果
■サタディ
コロナ禍での活動ではあったが、怪獣造形師との「みんなで作る巨大恐竜づくり」を居場所の開催日に毎回実施した。S N Sでの発信もこまめに行うことで、近所の方が散歩の途中で様子を見にきてくださるなど、多くの方との交流の場にもなった。開催場所の空き家の敷地の整備も同時進行し、敷地内の果実の収穫体験、近隣のへの散歩、屋外での活動も無理なくできた。その他、七草がゆ・餅つき・味噌づくりも参加者皆で楽しむことができた。
室内では、ボードゲームやカプラ(木製ブロック)を使って、小学生から大人までが気負わず居られる居心地の良い場所に徐々になっていった。参加する子ども同士も仲良くなり、子ども達の要望で2月以降は回数も増やし毎週水曜日に開催。子ども達の声でお泊まり会も行うことができた。回数の多くなった時期には、地元の大学生もボランティアで来てくれるようになった。
普段の居場所開催以外にも、恐竜づくりを主となって行ってくださった怪獣造形師の方の「俺の人生ゴジラ!」のお話会は、参加者との会話の中から発案した企画で、「好きな事を突き詰めて仕事にしてしまった人のお話」ということで、多くの方々が参加してくださり、居場所である「ふせやの森」の周知にも繋がった。
【A-2】ステップアップ助成
全3件 助成総額541,315円
【助成事業名】「アレルギーっ子 たじみあるくまっぷ」作成・普及事業
【助成額】200,000円(総事業費 204,500円)
【事業の内容】
- 多治見市内の飲食店21店舗を訪問し、食物アレルギーへの理解を求めた(うち18店が掲載店)
- マップ設置箇所を掲載店以外に、市内公共施設40箇所以上に拡大(市内全公民館・児童館・駅など)
事業の成果
- 食物アレルギーを持つ子ども及びその家族から、「こんなマップが欲しかった」「今度子どもと出掛けてみたい」「市内にこんなに行けるお店があるのが嬉しい」「食物アレルギーを明るく受け止めていて、家族そろって食事を楽しめた」など多くの感謝の言葉をいただいた。初版分1,000部はすぐに底を尽きてしまい、印刷から2週間後に2,000部の増刷を決めた。
- SNSを通じて、全国の食物アレルギー児支援団体からマップへの問い合わせが多く寄せられ、「参考にしたいため送ってほしい」「自分たちの地域でもできるかも知れない」との嬉しい反響があり、民間制作のアレルギーMAPとしてのモデルとなった。
- 協力飲食店には、食物アレルギーへの共感・理解を広めることができた。
【助成事業名】不登校・ひきこもりの子ども、若者とのコロナ後の新たな「オンライン居場所」の可能性の探求とAKIRAオンラインライブ開催
【助成額】200,000円(総事業費 235,584円)
【事業の内容】
若者当事者やその家族への呼びかけ「オンライン居場所」とリアルな「居場所」を連動させ、多様なつながりを広げた。AKIRAオンラインライブを開催し、参加層の拡大をはかった。
事業の成果
最初のきっかけは「会いたいけど会えない」「お話したいけれど話せない」という当事者の訴えから、2020年5月始めに無料通信アプリを使って3人での交流から始まった。その後、助成が決まって、簡易なカメラとマイクを準備し、ニュースレターやFBでの告知、慣れない機器の操作にも少しずつ習熟して、それぞれが想像以上の参加と事業の継続を実現した。
オンライン居場所は、5月22日に正式にスタートし、以後毎週金曜日13時~15時に44回の開催(1月1日のみ休み)し、延べ550人が参加(平均12.5人/回)する活動として定着した。(メーリングリストには25人が登録)。オンラインの持つ可能性やオンライン居場所のキックオフの位置づけにもなったAKIRAオンラインライブは、定員100名に対して118名の申し込みがあり、後日視聴も可能にして対応した。オンラインライブでは、当事者の3人が、AKIRAさんとの交流で発言し大きな自信を得たり、オンライン居場所では、何度も試行錯誤しながら二人の「進行係」が誕生したり、この3月には、ひきこもり当事者がニュースレターのための「オンライン居場所レポーター」として参加したいとの申し出があった。
【助成事業名】法人格取得の準備とリーフレット作成事業
【助成額】141,315円(総事業費141,315円)
【事業の内容】
NPO法人設立に向けての準備と設立総会を開催、認証までの間に法人案内のリーフレットを作成した。
事業の成果
リーフレット作成に伴い、活動範囲を広域にも広げていきたいという気持ちが全員に芽生た。私達の想いをどのような言葉を使って伝えるのか考え、言葉の問いかけに対してどんな効果があるのか、深く考え多くの学びを得た。キンダーランドの価値とは、子育てに悩むママや元気のない子供たちに、活動を通してメンバー一人一人が持っている知恵や知識・経験を生かし、連携して自然に寄り添うことができるということ。困っていたり、頼ってきて下さる人がいる限り、いつでも変わらず温かく受け入れる場所として、存在し続けることを改めて考え、現在の事業のみにとどまらず、より社会が良くなるものを創っていこうと決意した。
【B】利用者負担軽減助成
全5件 助成総額373,929円
【助成事業名】ひきこもり当事者の会「ラルジェ」(交通費助成)
【助成額】28,589円
【事業の内容】
不登校やひきこもりの女子の居場所を6回開催。それぞれ、やりたいことをしたり生活の様子を話したり情報交換をした。利用者12人の交通費を補助した。
事業の成果
- 安心できる場所でこれまでの辛かった思いを共感したり、悩みを相談したり、一緒に楽しんで過ごしたりすることで、より人とのかかわりを持つことができるようになってきている。来ていない方を心配する声も聞かれるようになってきた。
- 緊急事態宣言等により、年間6回しかできなかったが、「ラルジュ」を立ち上げた二人の女性(現在2人とも、外に出にくい状態)の思いをくんで、通信制高校1年生の不登校の子と母親を中心にして、継続することができた。
- 「ラルジュ」に参加したくても出られない方のご家族からの電話相談・当事者からの問い合わせもあり、この場の存在意義を感じている。
- 交通費の負担軽減は、遠方から参加する子にとっても、送迎をする親にとっても、安心して参加できる条件の一つになっている。また、公共交通機関を使うことに慣れ、一人でも行動できるようになってきた。
【助成事業名】明宝放課後児童クラブ運営事業(ひとり親家庭の利用料軽減)
【助成額】102,600円
【事業の内容】
放課後児童クラブのひとり親家庭の利用料のうち、市の減免外の分を軽減した。
対象者は4人。
事業の成果
2家庭の母子家庭に対する放課後児童クラブの利用料を軽減した。1家庭はご両親の離婚、もう1家庭は経済的事情により、ひとり親である母親の仕事がパートタイムからフルタイムに変更と、どちらも今年度内に生活環境が大きく変わり、放課後児童クラブの利用継続や子供の成長に不安をお持ちであったが、当事業により親子共に変わりなく安心して過ごすことができた。
【助成事業名】「てらこや無償塾」へ通う生活困窮者世帯への交通費支援事業
【助成額】34,140円
【事業の内容】
「てらこや無償塾」へ通うための交通費を、家庭の困窮度に合わせて補助する。児童・生徒が、バスや電車などの公共交通機関で通う場合は全額補助。保護者の送迎の場合は、市外からなど遠方者を優先的に家庭の困窮度に合わせて、ガソリン代を半額補助した。2020年4月1日~2021年3月31日までの毎週土曜日に実施。実施回数は、今年度はコロナ禍で12回にとどまった。
事業の成果
生活困窮家庭の多くが、「てらこや無償塾に通わせたいが、交通費を出すのは負担」と考えていた。一昨年度から交通費を支給することにより、子どもも保護者もお金の心配がなくなり、安心して通えるようになった。その結果、毎週きちんと通えるようになった子ども達が多くなり、精神的にも学力的にも安定して、学習意欲や学力の向上が見られた。一例として、この交通費支給があったおかげで、毎週無償塾に来ていた子が、この3月で無事に高校を卒業することができた。その子は就職が正式に決まった時には「内定通知書」を持参して、「頑張って高校卒業して良かった。ありがとう」と言ってくれた。
ただ、今年度は、新型コロナウルスによる学校一斉休校や緊急事態宣言等が出され、学習支援室を開催すること自体が困難な時期があったため、実際の利用は前年に比べて激減した。
【助成事業名】学童保育ひまわりハウス(ひとり親家庭の登録料減免)
【助成額】95,000円
【事業の内容】
放課後児童クラブを利用する方のうち、ひとり親家庭の年間登録費を免除した。
事業の成果
放課後児童クラブは、共働きの家庭とひとり親家庭の方を対象に、学校が終わった後の時間も安心して働くことができるように行なっている事業である。
今年度はコロナの影響もあり、学校が休校になり、不安定な状況が続きひとり親家庭の方への影響もとても大きかったようで、仕事も休みになったり、給料が減って大変だと保護者の方から聞いている。
今回、このような不安定な一年であったが、放課後児童クラブの年間登録費の軽減をすることにより、ひとり親家庭の方の負担を軽減することができた。
【助成事業名】放課後子ども教室(ひとり親家庭の利用料軽減)
【助成額】113,600円
【事業の内容】
放課後子ども教室を、平日179日間、コロナウイルスによる学校閉鎖期間・夏休み・冬休み・春休み期間61日、合計240日開催。ひとり親家庭の子ども4人の利用料の4割を減免した。
事業の成果
貴基金の助成事業に応募し採択されたことにより、当事業所としては大変ありがたく、安定した事業運営の助けとなった。また、ひとり親家庭の保護者からは「利用料が減額され経済的負担が軽くなりました。安心して子どもを預け仕事に専念できました」等の声を頂いている。
来年も利用料減額の事業を継続して行い、一人親が安心してこどもを預ける環境を作りに寄与していきたいと考えている。
【C】東海ろうきん未来応援基金物品購入助成
全2件 助成総額200,000円
【助成事業名】生活困窮世帯など学習に困難を伴う子どもたちへの学習支援事業
【助成額】100,000円(希望物品:教科書10セット)
【事業の内容】
ネットワークの全支援室に小学校の全教科書を揃え、学習支援に活用した。
事業の成果
ぎふ学習支援ネットワークは、現在13か所において、子ども達の貧困の連鎖を食い止めるべく無償の学習支援を行っている。小学校時代の学力の向上が、中学校へ引継ぎ、高校の進学にも影響を与える。更には、大学や社会自立等、子どもの将来にわたって大きな影響を与えることにもなる。社会で生きてはたらく学力を保障することは、子ども達の自信にも繋がっていく。そのためにも、教科書の内容をきちんと教えることは大変重要であり、学習支援室で教科書を揃えることは、教材の準備としては最も重要なことである。特に、今年度は新型コロナウイルスの感染拡大によって、学校の一斉休校も長く、学校が再開してからの授業のスピードは大変速くなっており、勉強について行けない子どもたちが増えている。家庭学習がきちんとできていない子どもたちにとっては、学習の理解面で致命的な打撃を受けている。この遅れを放置すると取り返しがつかなくなる。そうしたことを補うのが、私達学習支援ネットワークの役割である。
今回、5年ぶりに教科書が改訂され、全団体が教科書を全てそろえるには、多大なる金銭的負担があった。この助成金を使って、新規に教科書を揃えることができ、大変感謝している。
【助成事業名】プログラミング教室事業
【助成額】100,000円(希望物品:プログラミング用パソコン2台)
【事業の内容】
パソコンのない家庭のお子さんがプログラミングの習熟ができるように、パソコンを購入、キャラバンや教室で活用した。プログラミング教室は、小学3年生から中学3年生までを対象に、16回開催し、保護者を含めた参加者数は104人、貸出PC利用者は10人。
事業の成果
ボランティアでプログラミング教室を開催しているが、パソコンを持たないご家庭のお子様は参加できないでいた。今回、パソコンを2台購入するための助成をしていただき、当初はパソコンを持っていないご家庭のお子様を想定していましたが、それだけでなく、割れた画面で苦労しながらコードを打っているお子さんや、パソコンが古くて、皆に遅れをとってしまうお子さんにも使ってもらった。新しいパソコンを借りられて、本当に嬉しそうに取り組むお子様がたくさんいた。開催日ごとに必ず少なくとも1名はパソコンの貸出申出があり、パソコンの貸出の必要性を実感している。
今年度はコロナウイルスの影響で、教室の開催や参加も例年より少なかったが、2021年度以降もより多くの子供たちにパソコンの貸出ができるよう、この教室をもっと広めていきたい作れるようにするとともに、悩み相談・コミュニケーションの場づくりをした。
*参加者は1回あたり平均7人、のべ人数は368人、実人数では30人。